雑記


10月31日

 トリック・オア・トリート!
 と、いうわけで、本日は西洋のお盆ことハロウィンでした。
 菓子かいたずらか、というのは理不尽な気がしないでもないですが、そういう行事なので納得しましょう。
 まあ、そんな事を言ってもまったくもって日本人には馴染みがなく、かくいう私もいままで一度たりともお菓子を貰うために外を練り歩いたことはないのですが。

 今日は金曜ロードショーでオーシャンズ11を見ました。
 ルパンとかもそうですが、ああいう計画立てての犯罪は好物です。さすがにキャラが多く少し影が薄いかな、と思う人もいましたが、概ね満足でした。
 しかし、最後のシーンが冗長すぎると思うのは心に余裕が無い証拠でしょうか?
 盗んで並んですぐに三ヶ月から半年後に移行してもよかったと思うのですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編2「機体化兵士」その2


 機体化兵士。耳慣れない言葉に、助手は首を傾げた。
 言葉として近いものに機械化歩兵というものがあるが、それは戦車の行軍速度に追従できるようにした兵科の名前であり、それ自体が兵器というわけではない。
「まあ、知らないのも無理はないね。極短い期間しか研究されず、しかも表に出なかったものだから」
 館長が再び台を叩く。すると画面が切り替わり、なにやら紙製の資料らしきものが映し出された。
「機体化兵士というのは、簡単に言えば人間を兵器と呼べるまで強化しようって計画で作られた兵士のことで、その能力は特別な装備に頼らなくても通常の兵士の数倍以上と考えられていたんだ」
 ウィンドウの中でページが進み、大まかながら設計図や初期段階での能力目標などが書き込まれているのが見えた。
 それを読むうち、ふと疑問が浮かび上がる。
「館長、これ、体内に何か武器とか特殊な機動機材を仕込んでいるわけじゃないですよね? 設計図にもそういうものを埋め込んでいる図はありませんでしたし」
「その通り。あくまで機体化兵士は人間の能力を高めたところで兵器になる事を目指したものだからね」
「じゃあ、攻撃力は手に持てる銃火器に依存。防御力も人間大の大きさじゃタカが知れてますよね? 辞書に載っているような戦争に用いられる機材と言う意味の兵器ではなく、一般的に兵器と呼ばれる戦車や戦闘機なんかと比べて力不足なのではないですか?」
「それは、意外といい質問だね」
 館長が嬉しそうに助手を指差す。その姿はまるで、できのいい生徒が積極的に授業に参加してきて嬉しくなった教師のようだった。
「もし計画が完遂したとしても、巡航速度は三十キロ、攻撃力は武器に依存し、持てる武器は13ミリ機銃がせいぜい、防御力は当たり所がよければ7ミリ程度のライフルの連射に耐え、13ミリ機銃を何発か食らっても運がよければ治療すれば治るかも、といったところだ。人間としてはバケモノだけど、戦車なんかとは戦えないね」
「じゃあ、やはり兵器としてはあまり役には立たないんですね」
 少し残念そうに助手がつぶやく。
 実際のところ、兵器というのは大きければ使い勝手は悪くなるが強くはなる。だから人間と同じ大きさの兵器など、どうあがいても強くなりようが無い。
 しかし、そんな巨大な兵器をすり抜けるように、人間が軽やかに戦場で戦う姿というのは、なかなかに興奮するものがある。もし見れるのであれば、ぜひ見てみたかったのだ。
「ところがね、これがそうでもないんだよ」
 少し面白く無さそうになった助手に対し、館長は楽しそうに告げた。



10月30日

 私は小説を書くとき、見直さずに(といってもちょくちょく手を加えますが)ざっくり書き上げ、翌日手直しと加筆を加えてからその日の分を書き始めるというヘンテコなスタイルで書いています。
 そういう効率の悪い事をしなければもっと早く書けるようになると思うのですが、一発で満足のいく文が書けるほど熟達しているわけではないので、ある意味ではしょうがないと思って諦めています。

 で、何故こんな話題を出したかと言うと、さくっと(略)を今日お休みする言い訳です。昨日のさくっと(略)をなんとなく弄繰り回していたら、時間的に限界が来てしまいました。
 ですが、情けないことに時間をかけた割りに大して直っていません。
 ああ、もっと効率よく書けるようになりたいです。


10月29日

 ううむ、眠いです。
 ホームページを始めたばかりの頃は0時前に、少し経って1時までには更新するようにしていたのですが、最近ではそんな時間を余裕でぶっちぎっています。
 それで平気ならいいのですが、確実に翌日にも響きますし、改善していかなければなりません。
 でも、基本ものぐさなのでしばらくは治りそうにないのですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編2「機体化兵士」その1


「助手くん、君はヒーローは好きかね?」
 なにやら台に取り付けられたパネルをいじりながら、館長がそんなことを聞いてきた。
「ヒーローですか?」
「そう、ヒーロー。単体で抜群の戦闘力を有し、たった一人で戦局さえ変えてしまうアレだよ」
 簡単に言えばスーパーマンということだろう。それなら、答えは簡単だった。
「好きですよ。かっこいいじゃないですか」
「まあ、君はそう言うと思ったよ。それに、男女で差はあれ強いことに憧れる気持ちってのは万国万時代に共通しているしね……っと」
 館長の最後の言葉とパネルを叩く音が重なり、鈍い音を立てて中空にウィンドウが表示される。
 そこに映されているのは少年の全身像、名前、生没、略歴と、少年の簡単な説明だった。
 少年は見たところ十代半ばほどに見えた。中肉中背でこれといって特別な顔立ちではないのだが、どこか攻撃的で刺々しい雰囲気を放っている。
 名前の欄にはただ『XX』と、伏せて表示されていた。個人名に特に興味はないのだが、ならわざわざ表示しなければいいのにとは思う。
 生没年は『2128-2151』と記されていた。享年は23歳。写真は恐らく、没した歳よりも前のものなのだろう。特に他世界史に詳しいわけではない助手にとって、この年齢がこの2100年代ではどのような意味を持つのかよくわからなかった。
 そして、略歴にざっと目を走らせる。23年の人生にしては書かれていることが少なく、一分もかからずに読み終えてしまう。
『2143:機体化手術を受ける』
『2151:反乱を起こした同属を全て倒し、自殺。享年23歳』
 この二行を目にして黙り込む助手をちらりとも見ずに、館長は口を開いた。
「彼はこの世界においてただ一人兵器として登録された兵士、機体化兵士なんだよ」



10月28日

 早いもので、もうすぐ10月も終わりですね。
 日に日に寒くなって、窓を開けて寝ると次の日の朝には喉が痛くなるほどになりました。まあ、これはどちらかというと乾燥のせいでしょうけど。
 ですが、窓を開けて寝るのは私の癖みたいなもので、毎年何日も喉を痛めてしまいます。
 今年は少しは気をつけます。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編2「機体化兵士」その0


 あいかわらず『工廠』は人気の無いスポットだった。
 閑散とした広い室内を眺め、助手は様々な感情がない交ぜになったため息をついた。
 あまりにも暇なため、先日偶然道端で会った知人に、
「いいよな。俺の勤める『美術館』なんて、一秒たりとも暇な時間なんてないってのに」
 と、羨ましそうに、しかしどこか上から目線で話かけられた事を思い出してしまった。
 再び口からため息が漏れだしてしまう。ため息をつくと幸せが逃げるというが、それが本当ならこの先二度と幸せなことなんて無いだろうな、と助手は漫然と考えた。
 だが、やることがなくて暇だ、と思っていても状況は変わらない。
 ならば何かで暇を潰そうと考え、助手は古めかしい箒を手に掃除を始めたのだった。

 最初のうちは実に素晴らしい時間の使い方だと楽しみながら埃の積もった床を掃除していたのだが、それもはじめの三十分だけだった。
 とにかく『工廠』は広い。全ての展示物を見て回る道を通ると、それだけで一週間ほどかかるほどだ。
 そのため、掃除は基本的に機械任せだし、展示物にはあらかじめ対埃用のコーティングがされている。
 だが、人気がないのだから予算もない。おかげで導入されている機械の数は少なく、一度掃除されると次の掃除までに一ヶ月はかかってしまう。
 さらに、少ない人の出入りのせいで埃が積もりやすく、結果として広大な床にはうっすらと埃の層ができてしまうのだ。
 助手は一室の途中まで掃いたところで箒を放り出した。どうせ放っておいてもあと一週間もすれば機械が掃除してくれるのだ。なら、わざわざ人が無意味に掃除してやることもないだろう。
 と、うっかり箒をしまうのを忘れていたため、箒は空中で消え去らず、そのまま放物線を描いて展示物の台を直撃した。
 助手は焦ってそれに駆け寄り、傷ができていないかを調べる。
 だが、冷静に考えれば、こんな箒程度で傷つけられるような素材で展示物を保護するわけがなかった。案の定、むしろ傷ついているのは箒のほうだった。
 ほっとため息を一つつき、今度こそ中空へ箒を放り投げ、分子を解きほぐすように箒をしまいこんだ。
 完全に放棄が見えなくなったのを確認し、今度は展示物へと向き直った。外傷が無いのは確認したが、一応中身が壊れていないか確認したかったのだ。
 と、その台を見て、助手は違和感を覚えた。
 そこに展示されていたのは、一枚の写真だった。
 屈託なく笑う少年と、青空の写真。それは、もしコンクールに適当な題名で出したら何か賞がもらえそうなほど、それは素晴らしい写真だった。
 だが、ここは『工廠』だ。全ての世界のあらゆる時代から兵器が集められる場所だ。決して、写真を集めたりはしていない。
「助手君、それが気になるのかい?」
 突如背後からした声に、驚きのあまり体が跳ね上がる。
「か、館長ですか。驚かさないでくださいよ」
「私はただ普通に話しかけただけだがね」
 館長が、失敬な、と言わんばかりに口を尖らせる。年齢の割りに、妙に愛嬌のある姿だった。
「まあいいや。じゃあ今日はこの兵器について語ってみようか」
 またいつものように、少年のように瞳を輝かせた館長が台を指差した。


 なぜか筆が進んで長めになりました。
 とりあえず、後何回かお付き合いください。


10月27日

 本日、サーチエンジンサイトの「妄想系インデックス『創魂』」様に当サイトを登録いたしました。
 登録しませんか? とメールを貰ったのが24日だったので、結構遅くなってしまいました。日に一度は確認する習慣をつけないといけませんね。

 今日は次のさくっと(略)の構想をある程度練りましたので明日から書き始めたいと思います。
 久しぶりにアクションが書きたくなったので、等身大兵器(?)の物語です。


10月26日

 今日も可もなく不可もない一日でした。
 が、なにをするでもなくただボケっとしていたら、さくっと(略)架空兵器編の案が浮かんできたので、近いうちに書き始めようと思います。
 いつもは本を読んでいる最中にこういうアイディアが浮かんでくるので、今回みたいにただボケっとしているときに浮かんできたのは珍しかったです。
 と、いっても、後で考えて見れば某ガンスリの改変みたいなネタだった訳ですが。
 いつか本物の神が脳内に降りてきて素晴らしく独創的で面白いアイディアを授けてくれないものかと心待ちにしているのですが、なかなかきてくれないものですね。

 本日のゆうなま。
 今日も二回ぐらいしかストーリーモードをやっていませんが、ステージ5は何とか超えられたもののそこで壊滅的な被害を受けて次のメンバーにボコボコにされました。
 ううむ、マスタートカーゲはそれなりに役に立ってくれたのですが……それ以上にニジリゴケコマンドが役に立っていたような。


10月25日

 ちょっと前から日付がずれていたのを直しました。
 ブログならこんなことはないんでしょうが……どうもブログは好きません。
 とりあえず実害もないですし、このまま手書きで進めようと思います。

 ゆうなま、今日は少しストーリーモードをやってみました。
 が、ステージ5であえなく撃沈。トカゲでは駄目なんでしょうか。
 とりあえずしばらくは試行錯誤してみます。


10月24日

 勇者のくせになまいきだ、あいかわらずチャレンジしかやっていません。
 色々苦労しながら進めているんですが、これがなかなか難しいです。
 ○○を作れ、とかはいいんですが、勇者がくるようなチャレンジは特に苦手です。
 ……あれ、私はなんのゲームを買ったんでしたっけ?

 そろそろさくっと(略)だけでなく中、長編も出さないと何のサイトだか忘れ去られそうな予感がします。
 ですが、またどこぞに応募するための作品も書き始めないと、前回同様かなり進行が詰まって諦める羽目になりそうでもあります。
 同時進行、できうる限り頑張りたいと思います。


10月23日

 勇者のくせになまいきだ、時間が無いのでチャレンジを数マップやっただけですが、面白いです。
 システムもそうですが、何よりも魔王が面白いです。
 例えばうろ覚えですが、「「ドラゴン発生」と「勇者を倒す」、両方しなくちゃならないのが破壊神のつらいところとだな」とか。こんな台詞満載で楽しませてくれます。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「ピノキオ」後編


 その瞬間を、どう表現したものだろうか。
 太陽が水平線に触れるか触れないかといったギリギリの瞬間、それが起きた。
 今まで聞いた事がない、喜びに身を震わせるような、鎖から解き放たれた獣の咆哮のような、恋人を失った時の叫びのような、万感を呼び起こす声が聞こえたのだ。
 その声を聞き、ピノキオはたった今何が起こったのかを直感的に理解した。
 同属が、目覚めたのだ。
"大停止"から二十年がたち、人類社会が崩壊した今になって、ようやく目覚めることができたのだ。
 だが、叫びの数は少ない。ピノキオがゼペット博士に教わった"大停止"直前までに動いていた数は十億にも達するはずだ。
 しかし、聞こえる声の数は一万にも満たないものだった。
 機械人形の身体は風化するほどやわな素材でできてはいない。つまり、その大多数は人間によって破壊されてしまったのだ。
 十億中の九億九千九百九十九万。それを成すにはとてつもない労力が必要だっただろう。
 だが、人類はそれを成した。草の根を分けるように、そのようなことに使うべきではない余力を全てつぎ込み、徹底的に機械人形を破壊しつくしたのだ。
 その事を、機械人形たちは知っているのだろう。あれほど人類を愛していたはずなのに、彼らの発する叫びには少なくない恨みがこもっていた。
 だが、人間たちの気持ちも理解できる。事情を知らぬ一般の人々はそうして怒りをぶつけなければ、怒りのやり場を失ってやりきれなくなってしまうだろう。
 その瞬間、自分がどのような位置に立たされているのかを理解した。
 今の自分は、完全にまっさらな人間と変わらない、しかし機械人形であるという奇特な存在なのだ。
 身体は完全に機械人形のものだし、自分が人でない事も理解できる。だが、だからといって身体的に人より優れているわけではないし、必要最低限のこと以外知らずにこの世に生を受けている。
 そして何より、ゼペット博士はピノキオを人間として育てていた。その何よりの証拠に、人間であるゼペット博士の子供として、ピノキオは教育されてきたのだ。
 これがどういうことなのか。理解できないほうが幸せだったかもしれない。
 つまり、ゼペット博士はピノキオに人間と機械人形の架け橋になってもらいたかったのだろう。その両者を理解する、人間でも機械人形でも無い、世界でただ一人の『ピノキオ』として。
 だが、たとえその事を理解したとしても、この計画は机上の空論に等しい無理難題だった。
 さすがに二十年が過ぎ、人間も機械人形に対する恨みを薄れさせてきている。しかし、今だその悪感情はなくなってはいない。
 そして、機械人形も昔のようにただ人間を愛することができなくなっているのは、先ほどの声を聞けばわかる。
 その両者を、また昔のように、いや、今度こそ対等な隣人として、繋ぎとめなければならない。それがどれだけ難しいことか。
 協力者もいない、世界で独りぼっちの子供には荷が重過ぎる話だ。
 だが、当の本人は、良くも悪くもゼペット博士の子供だった。
 こんな無理なこと、ボク一人でやるなんて不可能だ。そうピノキオがつぶやく。
 すると、ピノキオの鼻がするすると伸びた。
 嘘をついているのだ。この一言は、自分の意思に反している。そう身体が告げている。
 なぜこのような仕掛けをゼペット博士がつけたのか、今となってはわからない。躾の上で役に立つからかもしれないし、自分の前で嘘をついて欲しくないと願っていたからかもしれない。
 だが、どんな理由があるにせよ、この伸びた鼻は自分の意思そのものだった。
 少なくとも、今の自分はこの難題を片付けられると信じているのだ。それは、とても心強いことだった。
 絶壁に立ち、今落ちようとする太陽を見る。
「やってやる。博士の、父さんの意思はボクが継いでやる!」
 世界でたった一人の少年は、力強く叫んだ。


 おわりましたが……なんか微妙な気がします。
 ですが、書いた以上は私の子供。愛すべき作品の一つです。それに、自画自賛になってしまいますが発想事態は個人的にも好きな感じですし。
 と言っても、さくっと(略)で作品をまとめたとき、手が加えられる可能性がかなり高いものの一つになってしまいましたが。
 ううーん、やっぱり、さくっと書くのはまだ自分には難易度が高いんでしょうか。
 それを見極めるためにも、まだまだ書き続けたいと思います。もちろん、中〜長編も。


10月22日

 勇者のくせになまいきだを買いました。
 個人的にこの手の作品が二重の意味で大好きなのです。一つは生態系の創造という作風、もう一つが空く側の組織を操るという設定。
 また、まだトレーニングしかやっていないのですが魔王がいい味出してます。
 少しチャレンジで遊んで、ストーリーに挑戦しようと思います。
 ちなみに、似たような作品ではAZITO2と3をやりました。正義の味方強すぎです。それぐらいがいいのですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「ピノキオ」中編3


 この時間は特別なものになる。それをピノキオは完全に理解していた。
 それはゼペット博士との七年間で一度も触れられたことのない話題だったが、そのことだけはいつの頃からかなんとなく知っていた。
 具体的に何が起こるのか、それはまったくわからない。だが、少なくとも、この身を焦がすようで、しかしそれを待ちきれないといった焦りのような感覚だけが見の内に燻っている。
 もっとも、そんな感覚でさえ、いまのピノキオにとってはどうでもいいことだった。
 ピノキオが身体を半分捻る。するとそこには、土を掘り返してできた真新しい後と、木の枝で作られた十字架があるのが見えた。
 ゼペット博士が、つい先ほど、死んだのだ。
 死因は病だった。といっても、すでに齢は九十を超え、この年代では珍しいまっさらな人間だったのだから、大往生といってもいい。
 だが、ピノキオはその事を理解できなかった。
 死という概念自体はゼペット博士譲りの知性がどうにか理解してくれた。だが、それが一般的なものなのか、想像以上に遅かったのか、それとも早すぎるものなのか、理解するだけの資料も経験もピノキオにはなかった。
 だから、この問題に関して主観だけが頼りのピノキオにとって、博士の死はあまりに早すぎるものだった。
 ゼペット博士は、決して優しいだけの親ではなかった。いつもは優しいのだが、なにかピノキオが粗相をすれば厳しく叱ったし、あまりにそれが過ぎれば体罰も辞さなかった。
 だが、だからこそ、ゼペット博士はピノキオの親だった。ピノキオを単なる愛玩動物ではなく、自分の息子として厳しく、そして愛をもって接したのだから。
 だからピノキオも悲しかった。もしピノキオが飼われるだけの存在なら、自分の胸に大穴を明けられたような感覚を味わうこともなかっただろう。
 もうこれ以上墓を見ていても、気分が際限なく沈むだけだ。そんなこと、ゼペット博士は望んでいないだろう。そう考え、ピノキオは再び身体を捻って海に向き直った。
 見れば、だいぶ太陽が傾いていた。
 もう間もなく、二十年目がやってくる。


 たぶん次で終わりです。


10月21日

 昨日書いた文章を見直して今日のぶんを書く時間がなくなることが多い瓜丸です。こんばんは。
 まったくもって厄介な悪癖ですが、気になったら書き直さずにはいられません。
 と、言うことで、昨日のさくっと(略)中編、結構書き換わっています。もしお暇があれば見てやってください。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「ピノキオ」中編2


 ピノキオは本当にただの少年だった。
 力は強くないし、算数は苦手だし、好きなことは外で駆け回ることだ。
 当然、他の機械人形のように生まれた瞬間から力強かったわけでも、知的だったわけでも、人間が好きだったわけでもない。
 むしろ、今が本物の少年であるように、本物の赤ん坊のようだった。見た目こそ今とそう変わらないが、立つ事も喋る事もできず、生きるために食事をし、少しずつ生きるための知識を身につけるのが精一杯だった。
 何を思ってゼペット博士がピノキオを作ったのか、その真相を知るものはいない。だが、事実として博士はピノキオの生みの親であり、実の息子のようにピノキオを大事に育てた。
 そして、ピノキオが生まれて七年。人のこと同じような速度で育ったピノキオは、年相応の知識を持ち、好奇心旺盛で、しかし大天才に育てられただけあってどことなく知的な少年に育っていた。
 ピノキオが顔を上げる。太陽が海から少し離れた位置まで落ちてきている。時計は無いが、これを見れば大体の時刻を知ることができた。
 もう少し太陽が落ちて、海に触れるか触れないかといった時間。それが、ちょうど"大停止"から二十年目になるというのだ。



10月20日

 絆創膏をはがしてみると、見事にいくつかの水ぶくれができていました。
 痛みはほとんど無いですが、キーボードを叩く感触が少し違って打ち辛いです。
 しかも困ったことに、こういうのをみるといじりたくなる性分で、いつか無意識のうちに破いてしまいそうで怖いです。
 見えないよう、早いところ絆創膏を巻きなおしておきます。

 さくっと(略)、長くても前中後編で済むとかえらそうな事を言っておきながら、わからなくなってきました。
 ひょっとしたら、今日を含めてあと三、四回かかるかもしれません。
 まあ、一作品につき五回ならこの場では普通ですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「ピノキオ」中編


 それは今いる人口からすればあまりに早すぎる減少だった。
 なにしろ、中世に猛威を振るったペストが奪った命でさえ人口の三割程度である。しかも、現代の総人口は当時の一億とは比べ物にならないのだ。
 だが、現在の人類が置かれた状況をよくよく考えれば、それも当然と言えた。
 なぜならば、機械人形は現代における人類社会の全ての基盤だったのだ。
 人の文明的な生活を維持するにはそれ相応の人口に対する労働力が必要になる。しかし、医療に生かされる老人が人口の四分の一を占める歪なピラミッド型の現代では、その労働力の割合が圧倒的に足りていなかった。
 そのため、機械人形は登場と同時に速やかに社会の中に組み込まれることになる。そうすることで人類は生活の水準を落とさずに済み、機械人形は人類の愛すべき隣人となることができたのだ。
 だが、もはや隣人ではなく血液と言っていいほど切り離すことができなくなった機械人形を、人類はあろう事か戦争に利用し、そして"大停止"が発生する。
 あえてその当時の事を語ることはしない。だが、労働人口と実際の人口の比率が狂っていた人類はあっという間に不自然だった部分が失われることになり、さらに社会の混乱から多くの失わずに済む命まで失ってしまう。
 当然、このような事態を「自分たちが機械人形をないがしろにしたせいだ」と内省できるだけの余裕が残されているわけもなく、またそうするにはあまりにも身内が死にすぎていた。
 その恨みは人類にわずかばかりの活力を与え、破綻した国家と言う形骸から独立した人類軍の発足を促すことになる。その目的は、雲隠れしてしまっている全ての元凶、ゼペット博士を見つけ出すことだった。
 だが、それも徒労に終わる。結局、比類なき天才であるゼペット博士を見つけることはできず、結果として無駄なことに余力を使った人類はさらに早く衰退していくことになる。
 最終的に人類軍は発足して十年足らずで解散を余儀なくされ、今日ではゼペット博士のことよりも日々の糧の法が気になるという意見が大勢を占めるようになっていた。

 そんな世界の混乱をまったく意に介さず、当のゼペットはある島に閉じこもっていた。
 その島は絶海の孤島だったが、それなりに広く、またそれなりにすごしやすい気候の地域に存在していた。
 なぜこの島が人類軍に見つからなかったのか、それはこの島を改造したゼペット博士にしかわからない。姿を隠せるのか、動いて探査範囲から逃れられるのか、近づく前に探査の手を砕いてきたのか。
 そして、ゼペットはこの孤島で生涯最後となる製造を行った。
 それが、いま岸壁で足をぶらつかせる少年のような機械人形、ピノキオだった。



10月19日

 やってしまった……
 料理を作っているとき、不注意で右手を焼いてしまいました。
 怪我自体はたいしたことがないのですが、ひりひり痛んでキーボードを打つのが辛いです。
 とりあえず今日は大事を取って手を休めたいので、さくっと(略)はお休みします。
 時間とか詰まったからとか以外で休むのはこれが初めてですが、どうかご理解ください。


10月18日

 さくっと(略)、前に書いたのはプロローグと言うかお試し版というか……とりあえず、それも含めて前後編になるように纏めました。
 ただ、本当にあと後編を書くだけで終わるのか、それとも某漫画のように中編1、中編2などとなってしまうのか、自分でもわからなかったりしますが。
 構想ではそこまで長くならないと思いますので、最長でも前、中、後編で済むと思います。たぶんですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「ピノキオ」前編


 絶壁からの風景は、見るものを魅了した。
 白い雲で彩られた淡い青空は高く澄み渡り、無限遠の彼方で海と交じり合う。いつしかそれは深い青となって視界の半分を覆い、白い波となって絶壁に打ち付けられる。
 ああ、世界は美しいのだと、誰もがそう思うだろう。
 しかし、ただ一人それを見る者の心は、そんな光景でさえ灰色に変えてしまうほど閑散としてしまっていた。
 もっとも、彼に心と言うものがあればの話ではあるが。
 機械人形(マリオネット)。絶壁に腰掛け足をぶらつかせるそれは、そう呼ばれていた。


 理由は不明だが、いつの頃からか出生率が世界規模で徐々に低下し、いつしか1を下回ってしまっていた。
 人口こそ発展した医学により延びた寿命で目に見えて減ってはいないものの、その事実は人類がそう遠く無い未来に滅んでしまうということだけを端的に示していた。
 ある者はそれに抗おうと子供が生みにくくなった原因を探った。ある者はそれが種としての寿命だと受け入れた。ある者はまったくの無関心だった。
 そんな折、天才科学者であるゼペットが、機械人形を作り上げた。
 機械人形は人類とまったく同じ外見で、まったく同じようにものを考え、しかし人類よりも肉体的に優れ、そして何よりも人を愛していた。
 そんな彼らは瞬く間に人類に受け入れられた。愛すべき隣人として、そしてなにより減ってしまった労働力を補う礎として。
 最初こそ互いが互いを必要とする理想的な共生関係の中、幸せな時間が続いていた。
 だが、そんな蜜月も長くは続かなかった。
 歴史を振り返ってみれば自明なことだったのだ。新たな技術を手に入れた人類が、それを何に使うのかなど。
 かくして、人口が減ってそれどころではなくなっていた人類は、再びその欲望と闘争本能のままに争いを始めてしまう。
 なにしろ彼ら機械人形は人を心の奥底から愛している。人に命じられれば、人に求められれば、自らの命を塵芥のように扱うことなど、まったく恐れなかった。
 そして、多くの人はその姿を見てもなんの感想も抱かなかった。なにしろ、戦争とはいえ自分たちは決して死なないのだ。武器の製造から戦いまで、全て機械人形とそれを指示する一部の人間だけで完結してしまっている。それは、テレビの中の出来事よりも現実感のない出来事だった。
 だが、それを見て深く絶望した人間が、世界にたった一人だけいた。
 ゼペット博士だ。
 ゼペット博士にとって、機械人形は全て自らの子供であり、血肉も同然だった。
 それがゴミのように扱われるということが、どれだけ彼の心を痛めつけたのか、想像できる人間はそこに誰もいなかった。
 機械人形の慟哭だけがこだまする戦場をいくつも渡り歩くうち、彼は人類の終焉を望むようになっていた。
 そして、戦争が始まってから十年の月日が流れ、それは唐突に起こった。
 全ての機械人形が、突然活動を停止したのだ。
 機械人形に頼りきった社会を構築していた人類は大パニックを起こし、停止から半年ほどで人口の二割を失い、文明の後退まで起こしてしまう。
 もちろん、この事態はゼペット博士により仕組まれたものだった。
 ゼペット博士には、機械人形を用いて物理的に人類を滅ぼすという選択肢もあった。そうすれば、恐らく数ヶ月程度で目的は達成できていただろう。
 だが、彼は人間を愛しているという機械人形の"意思"を尊重し、その手段をとることはしなかったのだ。あえて姿を隠し、いかなる手段を用いてか全世界の機械人形の動きを止めるだけに止めていた。
 そして、この"大停止"と呼ばれる事件から二十年も過ぎると、人類の数はその最盛期の十分の一以下になってしまっていた。



10月17日

 最近ネタ不足が深刻です。
 そのくせ毎日のように更新するのは、やはり継続は力だからです。
 またの名を一度止まると二度と毎日更新することは出来そうにないという「マグロの泳ぎ」とも言いますが。
 しかも、今日はネタどころか時間すらないので、さくっと(略)はお休みします。
 明日はせめて半分以上は書き進めようと思います。


10月16日

 時間が無い時間が無いと言うのは使えない人間だそうです。
 しかし、時間配分が苦手なのは性分で……どうにかしようと努力はしているるんですけれど。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「ピノキオ」その1


 絶壁から見る海は青く、空は澄み、雲は白い。
 世界は美しいと、こんな風景を見れば誰もが思うだろう。
 だが、それを見る者の心は、どんよりと曇りきった空のようだった。
 もっとも、それに心というものがあればの話ではあるが。
 機械人形(オートマタ)。絶壁に腰掛け足をぶらつかせるそれは、人類からそう呼ばれていた。
 天才科学者であるゼペットが半生をかけて作り上げたそれは人類の頼れる相棒にして愛すべき隣人であり、瞬く間に人々の生活の中に溶け込んでいった。


 実はピノキオに関する知識はディズニー映画ぐらいしかありません。
 ですので、この「ピノキオ」は最低限の情報のみから派生しています。


10月15日

 G・さらば!
 覚悟のススメ、読破しました。
 いやぁ、かなり面白かったです。特に散(はらら)様のカッコよさに終始やられっぱなしでした。私の中のナンバーワンカリスマDIO様に勝るとも劣らぬ素晴らしさです。
 やはり、カリスマと言うのは本人もそうですが、それに心酔する部下の存在が大きいのだと痛感しました。もしカリスマ溢れる登場人物を描くことがあれば、参考にします。

 次のさくっと(略)は、明日にも始めようと思います。
 一応、さくっと(略)から通常の作品になってしまった「赤ずきん」の代役として、「ピノキオ」がくる予定です。
 が、しかし、もう一つオリジナルの作品がいつの間にか頭に湧いて出てきてしまったので、そちらになる可能性もあります。


10月14日

 当方に迎撃の準備あり。覚悟完了。
 なんだかわからない人は、覚悟のススメを読んでみましょう。昔から気になっていたので五巻ほど読んでみましたが、凄く面白いです。
 最近の悩む主役など露ほども感じさせない、覚悟あふれる主役が素敵です。
 まあ、北斗の拳並の描写がありますので、一般受けしないのは確実ですが。


10月13日

 三連休最後の日でした。
 私はというと、PCデータの整理整頓をしたり、漫画や本を読んだり、漢検一級に受かるのは良い意味で変態だけだなぁとか思ったりと、そこそこ充実した一日を過ごしました。
 で、そんな一日をすごした身としてはアレですが、改変御伽噺「赤ずきん」をいったん終了します。
 予想以上に長くなりそうなのと、適当に書き進めたので先が詰まってきてしまったのとのダブルパンチで、仕切り直しが必要になってしまいました。
 ひぐらしも凍結したままですので、なるべく早く日の目を見せてあげないと……。


10月12日

 三連休の真ん中です。ですが、特にする事も無いので家でごろごろしてました。
 世間ではこういう一日を無駄に過ごしたと言うようですが、人の価値観など千差万別。私にとっては良い一日でした。
 まあ、有意義かどうかはさておいて、ですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「赤ずきん」その4
(またまた前日までの分を直してます。呼び方が少女→赤ずきんに)


「で、あなたはサボり?」
「まあ、ね」赤ずきんにそんなつもりはないのだろうが、俺の中の罪悪感がそれを咎める言葉のように感じ取ってしまい、俺は言い訳も小さく付け加えた。「でも、俺は今日が初めてだけどね」
「そうなの。でも、サボりはサボり。私とおんなじね」
 赤ずきんはそう言って、少し嬉しそうに表情をほころばせる。いくら豪胆な性格であっても、ずっと理由もなく休み続けるというのはどこかしらに罪悪感があるものなのだろう。
 それにしても、この笑顔と言うものが曲者だった。もし今の俺に罪悪感がなく、目の前の女の子が赤ずきんめいた恰好ではなく普通に制服を着ていたとしたら、その核爆弾級の威力を持つ笑顔に間違いなく落とされていただろう。
 まあ、その一撃であばら家のようになった理性の防壁は、いったい後どれぐらい持つのか想像も付かないのだが。
 しかし、そんな俺の都合はまったくお構いなしに、赤ずきんは無防備にも俺の両手を掴んできた。
 柔らかかった。いいにおいがした。頭が真っ白になるほど緊張した。
 それらを統合して体に出てきた影響は、健全な青少年としては至極当然な、赤面と言うものだった。
 だって、そうだろう。比肩するものがいないほど可愛くて美人な子が、無警戒に触れてくるのだ。たとえ恋愛に興味が無い朴念仁だろうが、少なからず反応してしまうだろう。
「ねえ、サボりなら今日は暇なのよね?」
 赤ずきんが何を言っているのか咄嗟に理解できなかったが、空回りする脳が普段の何十倍ものプロセスを経てどうにかその言葉の意味を汲み取り、頭を一回だけ振り下ろすように命令を出した。
「なら、お話しましょうよ。一人でブランコを半回転させているより、ずっと楽しいと思うわ」
 それは願ったり叶ったりといえる。もし赤ずきんが現れなければ、この後の予定はジャングルジムで遊んでバネ付きの動物の人形で一人バイクレースに勤しむ、という代物だったのだから。
 だが、待てよ。と、頭のどこかで警鐘が鳴る。
 目の前の見目麗しき赤ずきんは、何の理由があってか、もしくは何の理由もなく学校をサボり続けるような人間で、恰好も奇抜だ。このまま付き合ってもいいのだろうか。と、少なからず落ち着いた頭で警戒網を敷く。
「そ、それは、別にかまわないけど……」
 だが、男とはバカな生き物だった。このアイドルもかくやという少女と話せる機会が得られるという打算は、警戒網をあっさりと崩壊させてしまった。



10月11日

 弟がリズム天国2を買ってきました。
 ですが、私はリズム感が無いのでこの手のゲームや音ゲー全体が苦手です。
 しかし、下手の横好きで音ゲー自体は結構好きだったりします。マイナーかもしれませんが「押忍!闘え!応援団」などはけっこうやりました。ノーマルクリアが精一杯でしたが。
 他にも、格ゲーは時々無性にやりたくなる程度には好きでもプレイするのは苦手とか、色々横好きだったりします。別に横は好きじゃないのですが。
 まあ、一番好きなのはシュミレーションやアドベンチャーなのですが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「赤ずきん」その3
(また昨日の分を少し直しました)


「行ってない?」
「そう。行ってないの。行ったのは、入学式の一回ぐらいかな」
「なんで?」
「気分じゃないから」
「義務教育なのに?」
「私の義務じゃないもの。あれは大人が子供に教育を受けさせる義務よ」
 まあ、それは理解できる。ただ、だからといって実質一度も行かないというのは、さすがになかなかできることではない。
 ただ、本人と学費を出している親がそれでよければいいのだろうし、会ったばかりの俺がとやかく言う権利はないのだが。


 ううん、何故か今日は特に眠くてあまり頭が動きません。
 と、いうわけで、今日はとても短いですが、このあたりで。


10月10日

 今日はラーメンを食べに行きました
 私は味噌ラーメンが一番の好物ですが、醤油も塩も大好きです。ようするに、ラーメン自体が好物なのです。できるならラーメン大好き小池さんばりに食べ続けたいものです。
 しかし、最近のソーダとかトマトとか、そういう変り種は好きじゃないです。
 突拍子も無いような独創的なものというのは嫌いではないのですが、やはり『ラーメン』が好きなので、変り種よりは普通のラーメンが食べたいと思います。
 まあ、ラーメンができた当初は味噌や塩も変り種の邪道な代物だったらしいので、ひょっとしたらいずれソーダラーメンやトマトラーメンが普通になるときがくるのかもしれませんが。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「赤ずきん」その2


 ブランコの慣性を打ち消すのももどかしく、少し速度を落として飛び降りる。
 空を飛ぶ浮遊感が一瞬だけ全身を捕らえたが、次の瞬間には暴力的な衝撃と確かな地面の感覚が両足から這い上がってきた。
 すぐさま顔を上げると、『紅い何か』は確かにそこにあった……というより、いた。
 その姿に思わず目を奪われてしまう。
 それは、同い年ぐらいの女の子だった。真っ赤なフードをかぶり、俺と同じ中学指定の制服という、奇妙な恰好をしている。
 顔は、はっきりいって、可愛かった。いや、美人と言ったほうがいいかもしれない。少なくともクラスの、いや、学年の中でも比べる対象が見つからないほどの容姿である。アイドルには詳しくないので例えられないが、少なくともテレビに映っていれば間違いなく記憶に残るレベルだ。
 いったいどれぐらいの間、俺はこの場違いな赤ずきんを見ていたのだろうか。体感では何時間にも匹敵しているが、多分実際の時間では五秒と経っていないだろう。
「こんにちは」
 まるで鈴を転がしたような、というありきたりな表現が似合うほどの美声で話しかけられる。
「こ、こんにちは」
 情けなくどもりながらどうにか返事をする。
 その容姿に気圧されたというのもあるが、サボりの現場を目撃されてなんとなく心が逸っている。
 なにしろ、初めてのサボりなのだ。その現場を目撃されれば、どうしたって落ち着かない気分になる。
「こんな時間にブランコなんて。どうしたの、さぼり?」
「あ、ああ、まあそんなところ……」と、ここで重大な事実に気が付く。「っていうか、そういう君はどうなんだよ」
「私? 私はいいのよ。行ってないから」
 なんでもないことのように、赤ずきんは言った。


 書き忘れてましたが、1を少し修正しました。
 が、その1を修正するのに時間がかかってしまい、本編を進めるのに割ける時間が少なくなってしまいました。ですので、今日も少なめで。


10月9日

 今日は書く事がありません、といっても書こうと思えばいくらか書くことはあるのですが、特筆することはないかな、と。
 と、いうわけで、さっさとさくっと(略)にいきましょう。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー改変御伽噺2「赤ずきん」その1


 ねえ、おばあさん。
 どうしておみみが大きいの?
 どうしておめめが大きいの?
 どうしておててが大きいの?

 どうして私に怯えているの?



 正直言って、学校は楽しくない。
 いじめられているとか、他にやりたいことがあるからとか、勉強が反吐が出るほど嫌いだとか、そんな積極的な理由があるわけではない。
 ただ、なんとなく楽しくないのだ。
 だからというか、気分の問題なのだが……
 今日、初めて学校をサボってみた。
 妙な気分だった。変に高揚しているのに、体の奥底は恐怖で冷えているという、相反する二つの気持ちが気持ち悪くなるほど大きく心を支配している。
 だが、見ただけで中学生と分かる学生服姿なので遊びに行くことはできないし、家に帰ろうにも今日は母親が家にいる。この前の休日出勤の振り替えだそうだ。
 なんで今日サボろうと思ったのか、自分でもよくわからない。両親とも仕事に行っている日なら、少なくとも今みたいに人気のない小さな公園でブランコに揺られなくてもよかったというのに。
 と、嘆いてもどうしようもない。偽装のため携帯で学校に電話してしまったから、いまさら間抜けに登校する、というのも恰好がつかない
 さらに力強くブランコを漕いで暇を潰す。上手く軌道に乗ったブランコは、半月を描くように大きく揺れる。
 暗い公園だった。住宅街の隅にあり、周辺に高い木が植えられているので日が射さないのだ。
 しかも、場所が悪かった。住宅街からこの公園がある方面に進んでもあるのは廃工場だけなので奥様方が井戸端会議をするにはまるで向いていない。
 では、肝心の子供が遊ぶ場としてはどうかというと、これもよろしくない。少し前になるが、住宅街の真ん中に新しく公園ができたのだ。そこはこの公園よりも広く明るく遊具も多いので、こんな辺鄙な所にまでくる子供など皆無だった。
 そんな何故あるのかも分からないような公園だったが、だからこそ一人で身を隠して時間を潰すにはうってつけの場所と言えた。
 しかし、そんな寂れた世界の端に、ふとなにか紅いものがあるように見えた。


 一日目はちょっと短めで。
 なぜかというと、書き始めた直後は硝煙の匂い溢れるアクションものだったのに、なぜか上記のような感じになってしまったので。
 直感だけで書けるのがさくっと(略)のいいところですが、それだけだと思わぬロスがあるという例です。


10月8日

 今日から中二御伽噺の「赤ずきん」を開始……しようと思いましたが、明日朝早くに用事が入ってしまったので明日から始めようと思います。
 ただ、些事なのですが、脳内プロットではどうも中二っぽくならなそうなのが……。
 今回から「中二御伽噺」は「改変御伽噺」として出直します。その上で中二病を意識した作品はタイトルに中二の名前を冠する、ということで。

 と、ここまで書いて自分の作品の中二度が少し気になりました。
 作品は多かれ少なかれ中二が入っていたほうが面白い。中二認定されるたびに世の中から大切な何かが失われる。の二つが私の作品を書く上でのポリシーの一部なので否定はしませんが、意識して書いているのとそうでない物の二つには大きな隔たりがあると思います。
 まず、ぱっと考えると「ガンナーズ・ハイ」の主役二人はそうっぽいですが、一応弾があたらない理由はありますし、当ててくる敵からは当たっているのでそこまで濃くは無いかな、と思います。もちろん要素は多分に含んでいますし、発言がアレなのは意識してやりましたが。
 で、他の作品では戦闘が無いのでそこまで完璧主人公はいないのでそこまでは、と考えたところ……
「学校の怪談!?」では凄い発明家のシュウ。「あの空をこえて」では中学生にしてロケットを作ってる御崎。「異説・都市伝説」ではなにかやたらと裏の事情に通じてる幸一。「明津良雪の一日」ではそのものずばり完璧超人の悠木。「アイマス大戦」では防衛大学と幹部候補生学校を首席で卒業してる草薙……
 と、草薙以外は主役以外が完璧要素を持ち合わせているのに気が付きました。
 ううん、意識していたわけではないので、意外な発見でした。


10月7日

 こめかみ、側頭部の痛みはだいぶ引いてきました。
 病院にはいかなくて済みそうですが、痛みの正体はなんだったんでしょうか?

 実は、と前置きする必要があるかどうかはともかく、私はフラッシュゲームが好きだったりします。主に暇つぶし用だったり、ガッツリ遊んだり、用途はいろいろですが。
 そこで、今日はお勧めを一つ。

 Mud and Blood 2(紹介ページに飛びます)

 攻略方法なんかは私が解説するより下のコメントを見ていただいたほうがいいので省きます。
 このゲームは基本的に運ゲーですが、少しでも運に頼らなくていいように二つ注意してください。
 一つ、手榴弾は怖いです。敵も味方も。そのため、味方には手榴弾を装備させず、敵の手榴弾を浴びないように序盤は上のほうへ移動してください。
 二つ、空襲はもっと怖い。対応するため、アンテナとレーダー、通信兵と指揮官を用意し、制空権はいつでも確保できるようにしたほうがいいでしょう。
 この二つを守り、クリアできなければリンク先の下のコメントから攻略法を探ってみてください。もっとも、かなり重要なことも書いてありますので、早めに見たほうがいいと思いますが。
 もし「これぞ」と言う攻略法が見つかったら、こっそり教えてくれたりすると嬉しかったりします。


10月6日

 私は先日から続く謎の痛み以外には特に怪我、病気はないのですが、なんどか話題に出している弟が風邪を引いてしまいました。
 風邪は特効薬の無い人類に対する普遍で不偏で不変の脅威です。
 甘く見ると肺炎や、もっと酷くなると死ぬ事さえありますので、手洗いうがいだけではなく、日々の体調管理にも気をつけていきましょう。
 ちなみに私は風邪を引いたことが数えるほどしかありません。馬鹿なんでしょうか?


10月5日

 先日から左こめかみの付近が妙に痛むのですが、今日はさらに左側頭部全体に頭痛のような感じの痛みがずっとありました。
 なんなんでしょう。こめかみが痛いため変な噛み方でもして傷めてしまったのでしょうか。
 とりあえず何日か様子を見て、治らないようだったら病院にいきます。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編1「超高速戦艦玄界」その5


 館長はそのまま助手から日記を受け取り、明後日の方向へと放り投げる。
 すると、日記は空中でふいにその形を失い、さらりと砂のように溶けていった。書庫か倉庫へと収納されたのだろうと、助手は幾度も見たその様子を記憶の底から反芻させた。
「まあつまるところ、そういうことだね。理解できたかな?」
「ええ、まあ」
 えらく元気そうな館長を尻目に、今にも死にそうな様子で助手が返す。
「兵器の性能と言うのはそれ自体がいかに優秀だろうと、それを使うだけの環境がなければ無力と言うことですね」
 玄界はまさにその典型と言えた。性能だけならオーパーツといっても過言ではないのに、それを運用する人員が力を発揮できる環境がまったく整っていないのだ。
 そのような状況で、玄界の初戦がどのようなものだったのか、容易に想像ができた。
 もちろん搭乗員は必死に努力したのだろうが、肉体と精神の疲労は相当なものになっていただろう。それは多種多様なミスを誘発し、最後には轟沈という結果に繋がってしまう。
 悲惨である。その力を発揮できなかった搭乗員と玄界の両者には同情せざるをえない。
 だが、それで良かったのかもしれないとも思う。この先、待っているのは戦艦が廃れ戦闘機と空母が最大の戦力となる海だ。最後に「もし乗り心地さえ改善されれば」と夢を抱いて死ねたのなら、いっそ本望だったかもしれない。
 そう考えると、多少は気分も晴れる。何事も前向きの思考というのは大事なものだ。
 そうして気分を落ち着けると、ふと日記の中で気になった事を思い出した。
「そういえば、ヤジロベエというのは?」
「それはだね、玄界は日記にあったように死ぬほど上下し、死ぬほど左右に揺れまくるのに、絶対に沈まず水平に戻ったんだよ」
「ああ、なるほど」合点がいったとあらわすように手を叩く。「それでヤジロベエですか」
 その様子は見る分にはコミカルだろうが、乗っているものにとっては死活問題だっただろう。自虐的ともとれる搭乗員のネーミングに、また少し気分が晴れる。
 不運にして幸運な艦「超高速戦艦玄界」。もし高速性を多少犠牲にしてでも居住しやすいように作られていたら、一体どのような活躍を見せたのだろうか。
 それを知ることはできないが、少なくとも寝る前にする妄想めいた想像には使えるだろうと、助手はその姿を心に焼き付けた。


 いかがだったでしょうか。少しでも楽しめていただけたら幸いです。
 感想やらリクエストがあれば善処しますが、なければまたしばらく休んだ後にまた何か書きます。
 順番から言うと、次は中二御伽噺でしょうか。


10月4日

 そういえば明日からガンダム00セカンドシーズンが始まります。
 個人的にガンダムにランキングをつけるなら
『1位・0080』『2位・∀ガンダム』『3位・ガンダムX』になります。
 この直下にF91や逆シャアが入ります。最近ではイグルーもお気に入りです。
 え、偏ってる? 自覚してます。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編1「超高速戦艦玄界」その4


 助手は最後のページを読む。

『……今日もようやく一日が終わった。“ヤジロベエ”での生活は地獄の一言に尽きる。
 今日の日記を書く前に何気なく最初の何頁かを読み返すと、私がいかなる思いでこの日記を書き始めたのかが熱く書き綴ってあった。
 曰く、この日記に艦の素晴らしさを書きとめ、そのような素晴らしい艦と共にある自分を見つめなおし、日々精進していこうというのだ。
 まったくのお笑い種である。
 玄界の緒元は、なるほど嘘偽りの無いものであった。戦艦と呼ぶにふさわしい攻撃力と防御力、そしていかなる船をも凌駕する高速性能。我が大日本帝国の技術力の高さには目を見張るものがある。
 しかし、しかしである。緒元には書き記されない致命的な欠点が、この艦にはあった。
 乗り心地だ。
 いかなる高度な工学によってこの高速性が生まれたのか、それは極秘事項であり根っからの水兵である私にも推し量ることはできなかった。
 しかし、厳然たる事実として、この艦は酷く揺れるのである。それこそ、普通の船であれば快適とも言えるような小さな波であっても二、三〇糎は悠々と上下してくれるのだ。
 そんな状態で、普通に海が荒れたらどうなるか、何をかをいわんや、だ。
 それでも魔術的ともいえるほど沈む様子を見せない玄界に表面上は感嘆しつつ、しかし内心では「早く沈んでしまえばいいものを」と思う事もしばしばある。
 と、ここまで今日の分を記し、ふと気になってそのまま日記を読み返すが、一週間もたった頃にはすでに罵詈雑言が日記の大半を占めていた。
 こんなものを上官に見られでもしたら、共感も同情もしてくれると思うが、それでも規律のために厳しく処罰されること請け合いだ。
 酷く名残惜しくはあるが、万一に備えてこの日記は海に捨てようと思う……』

 最後のページ以外はざっと読んだだけだったが、それでも大きくぶれる文字や吐瀉物らしき跡を見る限り、玄界の上での生活が死ぬほど辛いものであったことは容易に想像ができた。
 思わずその様子に思いを馳せ、気分が悪くなり日記を閉じる。


 ちなみに、最近では一回さくっと(略)を書くのに30分ぐらいの制限でやってます。
 もちろん日によって違ったり、進行によって違ったり、今日みたいになんども書き直して時間がかかったりしてしまいますが。


10月3日

 明日の急な予定が入ってしまい時間をとられてしまったので、今日のさくっと(略)はお休みさせていただきます。
 一応予定としては次で日記、その次で終わりという形になると思います。

 金曜ロードショーでハウルの動く城を見ました。
 色々言われてるキムタクハウルですが、個人的にはそこまで嫌っていません。
 もっとも、時々キムタクっぽさが出てくるのでふと我に返ってしまうのですが。
 ちなみに一番好きなのはカブです。人間になった後に興味はありません。
 ある意味『美女と野獣』の野獣と同じようなものです。野獣だから味があるのであって、人間の王子は王子で魅力があるのでしょうが、野獣の魅力はそこでほぼリセットされるような気がします。


10月2日

 以前話題に出したDVDが先日とどきました。
 増産がかかったようなので待てば手に入るとは思うのですが、冷や冷やしたぶん喜びもひとしおです。
 ただ、そのおかげで自分の中では実際以上に貴重なものになってしまい、いまだに開けられていないのですが。
 いけません。これはいけません。よく「もったいないお化けに憑かれている」などと言われるのですが、これは見ないほうがよほど勿体無いです。
 しかし、それでも手が付けられない……もう一人のボク(もったいないお化け)が憎らしいです。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編1「超高速戦艦玄界」その3


 しかし、頭を何度捻ろうと、その答えは出てこなかった。
 なにしろ、スペックだけで見るなら玄界は当代最強になることさえ不可能ではないはずの艦なのだ。それが何もできない状況とは、一体なんなのだろうか。
 例えば、何倍もの戦力を持った艦隊に至近距離までまったく気付かずに近づかれて不意打ちされたと仮定する。しかし、そこに戦艦がいなければ同じく戦艦である玄界はそうそう沈められることはないし、なによりその快速で逃げおおせる事もできるだろう。
 こんなほとんどありえないと断言できる状況を想定しても、助手の頭の中にある玄界は軽々と切り抜けてしまった。しかし、実際はこうならなかったから沈められているはずなのだ。
「……すいません、理由がわかりません」
 たっぷり数分間は悩みぬき、結局何もわからずに助手は両手を挙げてしまう。
 館長はそれを聞き、ますます嬉しそうな笑顔になって助手にある一冊の手記を手渡した。
「これは?」
「玄界の搭乗員の個人的につけていた航海日誌だよ。日記とも言うね」
 そういわれ、助手は何気なくそれをぺらぺらめくって斜め読みする。
 そして、見る見るうちに顔色を変えていった。
「あの、館長、これ、マジですか?」
「大マジ」
 そこに書かれていた内容は、実に助手を驚愕させるものだった。


 今日はちょっと短めで。昨日ペース配分間違えました。


10月1日

 10月になりました。
 いろいろ心機一転、頑張ろうと思います。
 ……と、頑張っていままでのさくっと(略)を纏めたりしていたら、かなり遅い時間(現在2時半)になってしまいました。
 相変わらずな自分ですが、それでもなんとか頑張っていきたいと思います。

 さくっと作品を書いて見ようのコーナー架空兵器編1「超高速戦艦玄界」その2


「ある意味でオーパーツですね、その戦艦は」
 助手は玄界の姿を見つめながら、素直に感想を述べた。
 実際、軍艦のみならず軍において速さというのは非常に重要な要素だった。
 速度が早ければ相手に先んじて部隊を展開したり、戦況に応じて撤退などの作戦も取りやすい。ようするに主導権を握りやすくなる。
 逆に遅ければ、相手の行動を追いかける対応しかできない。主導権を握られ思うように行動できなければ、いかに高性能な兵器でもその実力を思うように発揮できなくなってしまう。
 そして、戦艦とはその圧倒的な火力と防御力でほかの艦を圧倒する最強の船だ。第二次世界大戦から後は戦闘機や対艦ミサイルにその座を追い落とされはしたものの、その当時であればまだその座を明け渡してはいなかっただろう。
 つまり、説明を聞いた限りでは最速で最強な玄界は、おそらくかなりの猛威を振るったと容易に予想できた。
「まあ、そうだね。速さは言ったとおり相当なもの。さすがに大和なんかよりは小型で砲も小さく装甲も薄いけど、高速戦艦になった後の金剛あたりと比べると新造艦だけあって一回り以上は強力なスペックだ。高速戦艦としての攻撃力と防御力は十分にある」
「じゃあ、やっぱり大活躍したんでしょうね」
「ぜんぜん」
 楽しそうに館長が首を振る。
「え、でも、おかしいじゃないですか。そんなに凄い能力があるのに……まさか、終戦間際で一回も戦わなかったとか?」
「いや、ちゃんと艦隊戦をやって、それで初戦にして一隻も沈められずに轟沈してるよ。今頃は海の底かな?」
「じゃあ……」
「もちろん艤装は済んでるし、装備、燃料とも十分。乗ってる水兵もそれなりに熟達した人たちだった」
「でも、それなのに、ほとんど何の抵抗もできずに沈められた……」
 もちろん戦場なので不運な一発があった可能性もあるが、そんなつまらないオチの話を館長がするとは思えなかった。
 まるでなぞなぞを聞いている気分だ。と、思わず助手は腕を組み、首を傾げてしまう。


 アニメやゲームなんかだと前に出るロボットは軽装で機動重視、後衛が重装で耐久重視となっている場合が多いです。
 ですが、実際は被弾しやすい前衛ほど移動力を損なわない程度にできるだけ重装、被弾しにくい後衛は軽装で機動力重視にする場合が多いそうです。
 まあ、それもその兵器のコンセプト次第ですが、機動力は直接防御力に直結することはまずないと思います。なにせ、相手の攻撃より早く動けるなんてそうそうありませんから。


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